第25回 日本人であることの誇り

第25回 日本人であることの誇り
                                                        - 2010年8月12日

日本人であることの誇り
 日本人が日本人であることに誇りを持っていた時代がありました。
 日清戦争で日本は清に勝利したのもつかの間、フランス・ドイツ・ロシアの3国干渉にあい、泣く泣く戦争で手に入れた権益を放棄しました。すると、ロシアは、日本が返還した満州を手中に納め、その上、朝鮮半島にまで手を伸ばそうとしてきました。そこで、万やむを得ず、ロシアの侵攻を防ぐために開始したのが日露戦争です。

 当時、日本とロシアとでは、その国力の差は歴然としていました。ロシアの面積は日本の60倍、人口は日本の2.6倍、陸軍兵力は10倍(ロシアには当時、世界最強と言われたコサック騎兵隊がありました。)、海軍兵力(バルチック艦隊)もイギリスに次いで世界第2位、また鉄鋼生産高は日本の30倍。世界中の誰もが、日本がロシアに負けると予測していました。しかし、日本は、日本海海戦においてバルチック艦隊殲滅し、陸上においても秋山好古将軍率いる日本陸軍がコサック騎兵隊を打ち負かすという、いわば驚天動地の結論になったのです。日本がロシアに勝てた原因として、指揮官が優秀であり、兵士が勇敢であったということが言われていますが、それに加え、日本海軍が使った火薬(下瀬火薬)が当時の世界水準の火薬よりも数段威力のある火薬であったこと、及び、秋山好古が騎兵を馬から下ろし、機関銃、騎兵銃、騎砲で向かってくるコサック騎兵を銃撃するという作戦をとったことなどがあります。

 日露戦争で日本がロシアに勝利したことは、近現代史上、はじめて有色人種が白人に勝った事件であり、清のみならず、インド、ペルシア、エジプトまでが驚異に思い、有色人種の大いなる自信となったものです。インドのネールは、「小さな日本が大きなロシアに勝ったことは、インドに深い印象を刻みつけた。日本が最も強力なヨーロッパの1国に対して勝つことができたならば、どうしてそれがインドに出来ないと言えようか。」と言っています。孫文は、「今では、アジアに日本があることで、白人はアジア人を軽蔑しなくなってきた。アジア人全体の国際的地位が高くなった。」と言っています。もし、日露戦争に日本が負けていたら、満洲だけでなく、朝鮮半島もロシアのものになり、ひょっとすると日本がロシアの一部になっていたかもわかりません。近現代史の中で、日露戦争の勝利は、日本にとって如何なる戦争よりも最も重要な生存の条件を得た戦いだったと言えるのです。
 坂本龍馬や西郷隆盛らが生きた幕末から明治維新を経て、日清戦争、日露戦争の頃の日本人は、日本人であることに誇りを持っていました。

 しかし、いつからでしょう、日本人が日本人であることに誇りを持たなくなったのは・・・。
歴史教育は、自虐史観で塗り固められ、総理大臣は謝罪外交を繰り返し、自分の言葉に責任を持たない厚顔無恥な政治家が跋扈し武士道の精神は忘れ去られ・・・。こんな日本に誰がした・・・。