交通事故の損害賠償について

先日、車を運転していたところ、交差点で横から突然出てきた車と衝突しました。相手方は無傷でしたが私は首と腰を痛めてしまいました。現在も首と腰に痛みがあり、病院に通っています。今後、賠償について相手方とどのように対応すればよいでしょうか。なお、相手方は事故について自身には5割しか責任はないと主張していますが、私は一方的に相手方に落ち度があると考えています。

交通事故の当事者が怪我をした場合、加害者は被害者に対して、怪我をしたことにより生じた損害を賠償する責任があります。例えば、怪我の治療費、病院までの交通費、怪我をしたことに対する慰謝料などがあります。また、怪我が完治せず後遺症が残ってしまった場合には、後遺症が残ったことに対する慰謝料や、後遺症がなければ将来得られるはずであった利益(逸失利益と呼ばれます)も賠償の対象となります。総損害額は治療が終了した時点で算定することが可能となるため、加害者に対してすべての損害を請求するのは、治療が終了して損害額が確定した後になります。では、治療が終了するとは具体的にどのような状況を指すのでしょうか。まず、怪我が完治する場合は、当然ですが完治した時点で治療は終了となります。つぎに、怪我の治療を行ったけれども完治はせず、いわゆる後遺症が残る場合は、基本的には主治医の判断の下、治療による回復が困難といえる状態(症状固定といいます)となった時点で、治療が終了することになります。このように完治するかまたは症状固定となった時点で治療は終了となりますので、その後に総損害額を算定して加害者に請求することになります。ところで、ご相談者と相手方とは事故が発生した責任の割合、いわゆる過失割合について主張が食い違っているとのことです。最終的な賠償額を定めるためには、過失割合についても明らかにする必要があります。過失割合については、主な事故態様に応じて基本的な基準が公表されていますので、その基準に照らして検討することになります。ただ、その基準はすべての事故態様を網羅しているわけではありませんし、また、個別の事案によっては過失割合が明確に判断できないこともあります。そのような事案では、任意の協議による合意ができず、訴訟による解決を図らざるをえないことも少なくありません。