養育費の減額請求について

私は3年前に妻と離婚しました。妻との間には10歳の子供がおり、調停で養育費を毎月6万円ずつ支払うという内容で離婚が成立しました。ところが、私が勤めている会社が倒産してしまい無職となり、現在生活に困窮しています。6万円の養育費を支払うこともできない状態です。私も払いたいとは思うのですが、実際に払うお金がないことや、やむをえない事情で払えないのですから、支払う必要はないのではないかと思います。いかがでしょうか。

具体的に調停で決まった養育費を勝手に支払わなくてもよいということにはなりません。一度具体的に決まった養育費を減額するためには、養育費を定めた時期(今回の場合では調停が成立した時)に、予想できなかった事情の変更が認められる必要があります。

質問者さんのように、会社が倒産することなどは一般的には予想できない事情といえるでしょう。

当然、会社が倒産してもすぐに再就職ができ、収入が変わらないなどという事情があれば減額は認められませんが、仮に再就職できたとしても、それまで勤めていた会社の収入の半分くらいになり、かつ、容易に収入が上がらないような事情があれば減額請求が認められる可能性はあります。なお、リストラされて無職になったからといって養育費が0円になるということは通常ありません。就労可能性がある以上は、減額はされても0円にはならないのです。

減額請求をする場合には調停の申立てを行うことが一般的です。

調停というのは、調停委員を交えた話し合いの場です。当事者が話し合いの末、養育費を減額することに合意ができれば、その内容の養育費を支払っていけば問題ありません。しかしながら、当事者間で合意が成立しない場合には、審判手続に移行することになります。

審判になれば、裁判所が養育費を減額するほどの事情の変更があるか否かを審理することになりますので、事情の変更に至った事情を主張したり、証拠を提出したりすることになります。当事者から提出された主張や証拠をもとに、裁判所が養育費の算定をして審判を出すことになります。