第191回  「AI大嫌い」

1 参議員事務所で新しい車を買いました。車に乗って後部座席に座っていると、前の方から「先ほどの運転はAです。」「次の交差点は衝突事故の発生率が高いので注意して下さい。」などと言う声が聞こえてきました。車の中は私と運転手しかいません。運転手が声を発したのではありません。

今はやりのAI(人工知能)という奴らしいです。こんなのがはびこると、証拠と判例で判決を書く裁判官や官僚の書いた文書を読むだけの大臣などという職業はなくなってしまいます。

  したがって、私、AIが大嫌いです。

2 (話は変わって)

先日、ある会合で、「士」と「師」の区別について話す機会があったので、私の友人に、その区別を詳しく教えてくれるように頼みました。その友人は親切なやつで、次のように丁寧に教えてくれました。

   似て非なるもの。それが、「士」と「師」です。

「士」は武士の士です。勇敢で品格があり、責任を重んずるのが武士です。品行方正であり、すぐれた倫理観があることが第1条件のようです。また、弁護士や税理士のように資格や専門性を持つ人を指す場合も「士」を用います。

 これに対し、「師」は師匠という言葉があるように、その道に熟練しており、模範となるべき人物や尊敬されるべき人を指します。教師や医師に代表されます。

しかし、「詐欺師」「ペテン師」という場合も「師」を用いますので、必ずしも品行方正ではなくとも、その道で熟練して、人の師匠となるくらい達人であれば、「師」と言われるようです。

このように、「士」と「師」は、その成り立ちや意味・内容が違っているので、注意して用いましょう。

以上のとおり、私の友人は非常に懇切丁寧に「士」と「師」の違いを教えてくれました。

ちなみに、私に懇切丁寧に教えてくれた友人の名はAIといいます。

3 そして、私が現在、業としている弁護士や議員という職業もそのうちAIにとって代わられるでしょう。

このように、AIというのは我々の仕事を奪ってしまう極悪非道な奴らです。これ以上、奴らをはびこらせてはなりません。

私自身、これからAIによって職業を奪い取られそうなので、今後の身の振り方を真剣に考えます。・・・AIという秘書と相談しながら・・・。

AIに働いてもらうのは、せいぜいお掃除ロボットかファミリーレストランでの食事の運び屋ぐらいまでにしてもらいたいものです。

しかし、少子化・高齢化・労働者不足の現状を考えると、AIの導入はやむを得ないのかも知れません。

アメリカではタクシーの無人運転が多いということを聞きます。AIの進出に危機感を持っている職業は我々以外にも多いはずです。

しかし、いつも100点の答案は面白くありません。時には50点だったり、120点だったりする答案が欲しいものです。人間の「情」。これが、AIを超える、人間しか出せないものです。人間である以上、AIに負けてはなりません。

・・・ちなみに、この文章を作ったのはAIです・・・・(嘘)。