長かった自民党総裁選が終了し、石破茂さんが勝利しました。
岸田首相が次期総裁選への不出馬を表明してから一転、激しい総裁選となりました。
今回はあくまでも自民党という一政党におけるトップを決める選挙であり、自民党員・党友でない人は関係ありません。しかし、自民党の総裁が総理大臣となるので、誰が総裁になるのかは国民の方々にも大いに影響するところです。
総裁選の仕組みが甚だ複雑なので、ここで、説明します。
先ず、自民党の国会議員であれば、衆・参問わずに立候補できます。ただし、「推薦人」が20名必要です。私は最初から高市早苗さんの推薦人になりましたが、この20名を集めるのが大変なのです。20名が集まらずに立候補を断念した人が何人かいます。
今回の選挙、9名が立候補しました。
投票権は国会議員が1名1票。368票です。加えて、党員・党友票(これの配分についての詳細は知りません。)が同じく368票です。よって、総合計736票となります。この中で、過半数を獲得した人が総裁となりますが、過半数に達しなかった場合、上位2名で国会議員(368票)・党員党友票(47票)による決選投票が行われます。そして、多数を獲得した方が晴れて総裁となるのです。
さて、9名が立候補しましたが、終盤になり、事実上、石破、高市、小泉の3名に絞られました。
そして、27日の投票日に自民党本部で行われた投票で、1回目は高市早苗さんがトップでした。しかし、過半数は獲得できなかったので、2位の石破さんとの決選投票となりました。決選投票では石破茂さんが勝利し、晴れて自民党の総裁となったのです。
この総裁選、公職選挙法の適用がありません。刑法等の法律に触れない限り、特に制限はありません。しかし、「政治と金」の問題もあり、自民党の選挙管理委員会では、お金を使わない総裁選にすることを決め、詳細に禁止事項などを定めておりました。
選挙戦が始まり、候補者による討論会などが実施され、徐々にその人の考え方や能力や人柄などが明らかになり、上記3人に絞られてきました。誰を自民党の顔にすることが自分の選挙にとって有利になるか。そのような観点から投票した人も多いでしょう。しかし、日本の総理大臣を決めるに等しい選挙です。アイドルの人気投票では困ります。真のリーダーとして誰がふさわしいのかという観点から投票するべきです。
問題は、1回目の投票で3位以下になった候補者の票がどこに流れるかです。選挙日の2、3日前からは、「決選投票では、〇〇候補を頼む。」という激しい電話攻勢になります。それと同時に、「足の引っ張り合い」が始まります。「あの候補者の推薦人は裏金議員だ。」「あの候補者の推薦人は統一教会議員だ。」などとする報道や、「あの候補者はパワハラ気質である。」など、数多くの誹謗や中傷が乱れ飛んでいました。マスコミの偏向報道も激しくなります。NHKなどは、特定の候補者の顔写真のみを特に大きく報道するなどし、公平性に欠けるのではないかと思うこともありました。終盤になると、他の議員に対して影響力を持つと言われている長老議員にお願いに行ったり、旧派閥のような活動をしたりと、今までと変わらない状況でした。
しかし、やはり最後に決めるのはその候補者の政策、価値観、人柄などです。
このような熾烈な選挙戦を勝ち抜いて総裁になった石破茂さん。是非、その持てる能力を最大に発揮して、沈みかけている日本の国際的地位を向上させ、国民が安心して暮らせる日本国に作り直して欲しいものです。