第166回  初登院・初議会

8月3日、参議院に初登院いたしました。この日だけ参議院の正面の門扉が開けられるらしく、私も正面から中に入りました。そして、そこから国会議事堂の正面へと進むのです。この時以外は横の門扉しか開けられないとのことです。一生のうち一回しかできない経験をさせていただきました。マスコミのインタビューを受けましたので、ご覧になった方もいらっしゃると思います。
初議会の目的は議長と副議長を選任することです。これまで議長は山東昭子さん(自民党)、副議長は小川敏夫さん(立民党)でしたが、新しい議長には尾辻秀久さん(自民党)、副議長に長浜博行さん(立民党)を選ぶことになりました。
ところが、私、一回目から大ポカをやってしまいました。議長を選ぶ際、自席にある私の名前の記載された木札1枚と議長(にしたい方)の名前を記載(これは自分で記載します)した投票用紙1枚の2枚を持って、名前を呼ばれた順番に一人ずつ壇上まで歩いて行きます。最初の係員に先ず木札を渡して議員本人であることを確認してもらってから、次の係員に投票用紙を提出することになるのです。その時、なんと私、自分の名前の書かれた木札を持っていくのを忘れてしまったのです。壇上に行き、木札は出さずに投票用紙だけ出したものですから、係員もびっくりして、「木の札は・・・?」とあきれ顔。それで私、木札を忘れていることにようやく気付きました。後ろから順番で次々と参議の皆様が来ているにもかかわらず、あわてて逆方向に自席まで小走りで木札を取りに行きました。そして、順序良く並んで投票している皆様を追い抜いて投票を済ませたのでした。
一回目からこのような大きな大ポカ・・・。先が思いやられます(自分のことながら・・・)。
最初の国会議事堂が建立されたのは1891年(明治24年)10月30日(竣工)とのことですので、今から130年以上も前です。その頃は「帝国議会」と呼ばれており、その名残でしょうか、各部屋には毛筆で書かれた木製の表札が掛けられています。その後、①日清戦争、②関東大震災、③二・二六事件、④新議事堂竣工、⑤日中戦争、⑥第二次世界大戦、⑦原爆投下、⑧日本国憲法制定(国民主権、議院内閣制の確立、国会が国権の最高機関)などがありました。国会議事堂はこれまで歴史を積み重ねて来ており、その重さを感じます。えんじ色の絨毯が敷き詰められているのも幾多の歴史を見てきた国会の象徴です。これら「歴史」の中に自分も入って活動するということになり、身震いする思いです。
さて、国会(参議院)には、本会議と各委員会があります。委員会でもんだ法案を本会議に上程し、そこで可決されれば正式な法律となります。しかし、委員会にかける前に自民党(衆・参両院)内に部会があり、そこで議論した法案が国会の委員会にかけられ、その後に本会議にかけられるという流れになります。自民党では朝8時からいろんな部会を開催して勉強会をしていますので、新人である私はいろんな部会に出てみようと思っています。ただし、36年に亘る法律家としての経験を役立たせることができるような部会がいいですね。
いずれにせよ、新人の参議院議員ですので、いろんな事を教えてもらいながら国会で活動したいと思います。ただし、週のうち何日かは大分へ戻って来るので、大分でお会いできるでしょう。あるいは、東京まで来ていただければ幸いです。
弁護士業務については、国会議員との兼業は可能です。ただ、現実的にはむずかしくなります。今、担当している各弁護士が中心となって責任をもって行いますので、ご容赦下さい。大変ご迷惑をお掛けすることなり、誠に申し訳ございません。