第114回   忖度

第114回   忖度
- 2018年3月30日

忖度
「忖度」という言葉が、これほど日常に飛び交うようなことはこれまで経験したことがありません。そもそも「忖度」という漢字は知っていても普段の生活の中であまり使ったことはありませんでした。
現在、国会の中で、「忖度」を巡って野党が激しく安倍総理(及び昭恵夫人)を追及しています。渦中の人物佐川宣寿元財務省理財局長の国会での質問がありました。予想どおり、大半の質問に対し、「刑事訴追のおそれ」を理由にして黙秘権の行使をしました。したがって、真相は以前闇の中のままということでしょう。
一連のマスコミの報道を見ていると、何か安倍昭恵さんが森友学園のために国に圧力をかけて問題の土地を安く売らせたような論調が目立ちます。あるいは、安倍昭恵さん(その背後の安倍総理)を「忖度」して安く売ったとの論調もありますが、「忖度」された人に何か責任があるのでしょうか。確かに、財務省が決裁文書の書き換え(実質は一部削除)をしていたのは驚きましたが、役所というのは自分たちにとって不利なことがあればここまでやるのだなとの認識を新たにさせていただきました。これまで行政庁相手に裁判などを行ってきたときに、行政庁が、(不利な証拠は)「すべて廃棄した。」などという言い分をすることがたまにありました。財務省に限らず、他の役所でもおそらくやっているのではないか、そして本当に廃棄していなくても廃棄したといえばそれ以上追及されないからこのようなことがまかり通っていたのではないかと思います。
「問題の土地は、ゴミが埋められており、飛行機の騒音も激しい土地であったため、国としては早く処分をしたかった、値段はいくらでもよかった、というのが実態だ。」と、ある人は述べています。土地を売る以上、値引きの交渉などがあるのは当たり前です。この交渉が「なかった」と述べた佐川さんの答弁そのものが極めておかしいし、また文書を「廃棄した」という証言も極めておかしい。実態は、佐川さん自身が近畿財務局とうまく連絡を取らず、国会を甘く見て適当に答弁をしたためにつじつまが合わなくなり、文書の改ざんを近畿財務局に指示をしたと考えるのが筋ではないでしょうか。そこに安倍昭恵さんを絡めて追及しているのが野党ですが、これは安倍総理が「自分か妻が関わっていたら、総理も国会議員も辞める。」と発言したために、何とか昭恵さんを絡ませたいのでしょう。しかし、昭恵さんがそのような働きかけを財務省にするとはおよそ考えにくいところです。
籠池氏の性格も甚だ問題があります。いわゆる平気で虚偽の内容を述べる人ですし、未だ保釈されていないということは犯罪事実を頑強に否認しているからだと思われます。夫婦揃ってなかなか根性が座っていると思いますが・・・。
いつまでもこの問題を引きずって、ずるずると安倍内閣の支持率が下がれば、安倍内閣が倒れることになります。安倍内閣が倒れた場合、次は誰が総理大臣をやるのでしょうか。いろんな人の名前が挙がっていますが、正直、今ここで安倍内閣が倒れた場合、日本にとってかなり大きな損失になるのではないでしょうか。当然、野党は安倍内閣の打倒を叫びますが、安倍内閣が倒れて困るのは我々国民自身です。せっかく国際的に日本の地位もかなり向上し、いろんな場面で日本の発言力も増しているのに、また総理大臣が代わるということになれば一から出発し直さなければなりません。何とか安倍総理には踏ん張ってもらいたいと考えています。ただ、苦言を言わせてもらえば、妻である安倍昭恵さんの行動を制御できなかったことが今回の一連の事件の遠因といわなければならないでしょう。今のご時世、細君が活発に活動することは大いに結構ですが、やはり結果的に夫の足を引っ張ることもあり得るので要注意といったところでしょうか。我々も肝に銘じておきたいものです。