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第91回   法律と道徳

                                                          - 2016年3月4日

法律と道徳

 法律とは、「国民が従わなければならないと定められた、その国の決まり」と辞典には書いています。他方、道徳とは、「社会生活の秩序を保つために、一人一人が守るべき行為の規準」とあります。法律があろうとなかろうと、守るべきより高度な規準が道徳と言っていいでしょう。例えば、「お年寄りを大切にしなさい。」とか、「小さな子どもを可愛がりなさい。」とか、「社会的弱者に手をさしのべなさい。」などというのは道徳ではありますが、これがすべて法律化されているわけではありません。我々がある行動を起こすときに自分の行為を法律を規準にするか道徳を規準にするかによって変わってきます。人によっては、自分の行為が刑罰の対象になっていなければ何をやってもいいと考えている人がいますが、これは行動の価値規準としては一番低レベルではないかと思います。本来、原始社会においては法律などありませんでした。しかしながら、人間が多数生存するようになり、それぞれの価値基準が異なってきて利害が衝突する場面がたくさん出てくるようになってきたので法律というものが出来るようになったのです。
 法律に関しては、我々の行動を規制する作用がある反面、逆に規制の対象になっていない人たちの利益を擁護するという側面があることも忘れてはなりません。例えば、タバコを吸ってはならないという法律が仮に出来た場合、タバコを吸っていた立場の人からすれば喫煙の自由を制限されるものです。しかし、タバコを吸わない人から見れば、綺麗な空気がタバコの煙で汚されなくてすむ権利を擁護してくれるということになります。道路交通法にしても然りです。自動車の制限速度を40キロ/時にするのか、60キロ/時にするのか、あるいは100キロ/時にするのかによって車を運転する人の利益は大幅に変わってくるでしょう。しかしながら、スピードを上げれば上げるほどそれによって交通事故の発生する確率も高くなるということになります。
 そこで、どの辺りに線引きをするのかということがかなり難しい判断となってきます。法律を作るということは、いままで道徳として考えられていたものを文章化し、国民の大多数の人が納得するような形の決まり事を作るという作業ですから、どの辺りが国民の大多数の意見なのかということを常日頃からアンテナを張り巡らせて正しい判断をしなければなりません。そのためにも、法律を作るという立場に立とうとする人間は、その法律ができることによって如何なる権利が制限され、その反面、如何なる権利が擁護され、それらが具体的に調和の取れた形になるのかどうかという点を実態に則して判断しなければなりません。その人のバランス感覚が試されるところであると言っても過言ではないでしょう。




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