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第71回  騙される弁護士

                                                           - 2014年6月6日

騙される弁護士

  いわゆるPC(パソコン)遠隔操作事件で、片山祐輔被告人は無罪を争っていたにもかかわらず、保釈中に真犯人を騙ってパソコン遠隔操作を行い、警察にその事実が露見し、最終的にすべての犯行を自分が行ったことを認めるに至りました。これまでマスコミなどは片山被告人がえん罪であるとの論調で報道していたため、激しいバッシングを受けているところです。中でも主任弁護人の佐藤博史弁護士は、「片山被告人は絶対無実である。本件はえん罪である。」と言っていただけに、片山被告人が真犯人であることを認めた時点で、どのような反応をするかは注目すべき点でした。ところが、佐藤博史弁護士は、「片山さんが真犯人であると分かったからと言って自分が彼を見捨てることはない。真犯人であることを前提に、これから弁護活動をする。それができなければ何のための弁護士か。」と言ってのけました。まさに、弁護士の鏡。私には到底できない芸当かもしれません。
 弁護人と依頼者との信頼関係がなくなれば、なかなか弁護活動を行うことは困難です。今から30年ほど前、大分でJRを爆破するという脅迫事件があり、犯人Aが逮捕されました。しかし、Aは、「自分ではない。」と裁判で無罪を主張し、その弁護人も、「Aは無罪である。」と主張していました。Aの逮捕後、私の別の依頼者(刑事被告人)がやってきて、「先生、Aは無罪と言っていますが本当はやってますぜ。何となれば、私とあいつは同じ房の中にいました。Aは、『裁判では無罪を主張しているが本当は俺がやったんじゃ。』と自慢話をしていました。」とのこと。果たして無罪を争っていた弁護人はそのことを知っていたのでしょうか。房の中では本当のことを話す可能性が高いことから、捜査員が被疑者を装って無罪主張者と同じ房には入り、「本当はやった。」という言質をとったとかという話を聞いたこともあります。
 弁護士が依頼者から騙されることは何も刑事事件に限ったことではありません。民事事件でもよくある話。ある不倫事件。夫のAがB女と不倫をしたとして、妻Cから訴えられた事件。Aに対し、「本当に君はBさんと不貞関係はないのか。」と確認すると、「絶対ありません、一緒に食事に行っただけです。」と言います。そこで、それを前提に弁護活動をして裁判が2回3回と続く中で、突如として相手方弁護士からAとBがラブホテルから出てくる写真を証拠として突きつけられることなどがあります。今まで、自分の依頼する弁護士をも騙していたことが、そこで露見。「どうして弁護士まで騙すのか。」と確認すると、曰く、「昔から兵法に、敵を欺くには先ず味方からということわざがあります。」とのこと。確かに兵法はそのように書いているかもしれませんが、それでは弁護人と依頼者との信頼関係は築けません。騙されたことを知って、果たして、その弁護人が、その後一生懸命弁護活動をする気になるでしょうか。やはり、弁護人と依頼者との間においては、兵法ではなく、信頼関係を築き上げなければならないと考えます。
 「依頼者と弁護人の関係は車の両輪である。」と言います。片一方の輪が欠けたら、その車は動きません。佐藤博史弁護士は弁護士の鏡ですが、私があの境地に達するまで、もうしばらくかかりそうな気がします。





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