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第70回  韓国「セウォル号」沈没

                                                           - 2014年5月2日

韓国「セウォル号」沈没

  韓国のフェリー「セウォル号」が沈没しました。乗客約500人のうち、約300人が死亡したと見られています。沈没原因は貨物の過積載(積載限度量の3倍以上の積載量)ではないかと言われています。このセウォル号は世界の海難史に長くその名を刻むことでしょう。死亡者の数もさることながら、乗客を見捨てて真っ先に逃げ出した船長イ・ジュンソクの名前と共に・・・。
  船の沈没事故を取り扱った映画として、私の記憶の中に蘇ってくるのは2つあります。1つ目は、「ポセイドン・アドベンチャー」。これは1972年に作られた映画です。当時、私は中学生だったと思います。豪華客船「ポセイドン号」が航海の途中、巨大な津波が押し寄せて転覆し、船底が海上を向いた状態で停止。今回の事故は、転覆し、船底が上を向いた状態までは一致しています。ポセイドン号はそのまま沈まずに浮いていたものの、セウォル号は転覆した後、沈んでいきました。いわゆるエアポケットという空気のたまり場がセウォル号の場合にはなかったからだと思います。
 ポセイドン・アドベンチャーの映画では、ジーン・ハックマンが演じる牧師が、生き残った人間を引率して上部の船底に向かう途中、扉を開ける巨大なハンドルにぶら下がって自分の体の重さでハンドルを回してドアを開け、力尽きて燃えさかる炎の中に落ち込んで行くというシーンが思い出されます。(私は、この主人公は船長と思っていましたが、もう一度、よく調べてみると船長ではなく牧師でした。)映画解説者の荻昌弘氏は、「そこにとどまるか前進するかといったとき、必ず前進する方を選ぶ。しないかするかといったとき、必ずする方を選ぶ。こうした考え方が、この物語を力強いものにし、私たちを励ましてくれる。」と語っていました。まさに、そのとおりの映画です。
  もうひとつはあまりにも有名なタイタニック。これは1912年に起きた、イギリスの豪華客船「タイタニック号」の沈没事故を描いたものです。ジェームズ・キャメロン監督が映画にし、1997年に公開されました。レオナルド・ディカプリオ演じる画家の卵とケイト・ウィンスレット演じる、金持ちの婚約者がいる女性のラブストーリーを中心に展開されています。まだ新しいので、この映画は観た人は多いのではないかと思います。この映画はポセイドン・アドベンチャーとは違い、CGなどの最新の映像技術を駆使しているため、船の転覆シーンや人間が転落していくシーンなど圧巻でした。その中で私が印象に残っているのは、パニックを起こさないために、デッキで演奏していた音楽隊の人達が自分たちの危険を顧みず最後まで演奏を続けていたという点と船長が最後まで船に留まり、船と共に沈んでいったという点です。この映画を観て、船長は最後まで船を離れないものなのだなと思ったのは私ひとりではないと思います。
 今回のセウォル号のイ・ジュンソク船長は、報道によれば、乗客をほったらかしに(その場に留まるように指示したうえで)、自分は一般乗客を装って、真っ先に救命ボードに乗り込んだとのことです。そう言えば、タイタニックの映画の中で、ケイト・ウィンスレットの夫になるはずの金持ち男が、救命ボートに乗り込むために、近くにいた赤の他人の小さな男の子を助けると偽って、その他大勢の人々を飛び越して救命ボートに乗ったのと何となく似ているような気がします。
 過積載を平然と行うような船会社であるゆえ、そこの船長も船長としての資質をまったく備えていなかったのもうなずけるところです。楽しい修学旅行の最中だった、約300名の高校生たちの若い命が海に散ったことは胸が痛みます。同時に、韓国にとっても貴重な財産をなくしたと言わなければならないでしょう。
 イ・ジュンソク船長は韓国の法律で処罰されるでしょうが、過失犯かせいぜい保護責任者遺棄致死として処罰されそうです。しかし、「未必の故意による不作為の殺人罪(救助義務があるにもかかわらず、『乗客が死ぬかもしれない、しかし、死んでも構わない』と思いながら、救助をせず放置し、結果的に死に至らせたことが殺人罪に該当する)」、に問われてもおかしくない事案だと思います。無責任な船長と船会社によって多くの犠牲者を生み出した事故だという意味において、海難史に長く不名誉な名を刻まれることでしょう。

 いよいよ5月。1年のうちでもっとも花がきれいな季節です。もやもや気分を晴らして、パーッと外に飛び出して行こうではありませんか! 




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