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第57回  「 TPP交渉参加 」

                                                         - 2013年4月5日

TPP交渉参加

 日本の弁護士は基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とするとされていました。現在でも弁護士法第1条にはこのように記載されています。
 今から約20年ほど前、アメリカの弁護士が日本で弁護士事務所を経営することは可能かどうかという、いわゆる外弁問題が大きな問題となりました。いわば、TPPの先取りのような問題でした。日弁連の中には、弁護士に対する考え方が日本とアメリカで大きく違うので反対という意見がありました。「アメリカの弁護士は基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命としておらず、ビジネスロイヤー、即ち、弁護士業を一つの商売として考えている。金になるかならないかというのが価値観である。アメリカ社会は訴訟社会であるために清貧に甘んじても社会正義を実現するなどという感覚がない。」などと言われました。しかしながら、アメリカ人弁護士事務所は日本に進出することになり、日本の若い弁護士達はアメリカの弁護士事務所に雇用されていくようになりました。私の事務所で修習した弁護士も何名か東京の外資系弁護士事務所に就職しています。

 日本の弁護士事務所と比較してアメリカ人の経営する弁護士事務所は何が違うか。給料の額がまったく違うのです。桁違いに高いのです。何故、そんなに高いかということを聞いたところ、アメリカの企業は一旦訴訟に巻き込まれたら、莫大な金額を払わなければならないので、毎年、予算に一定の割合(例えば、100億円の企業であれば1億円ぐらい)を訴訟費として計上しており、それを顧問弁護士事務所に顧問料として支払っているからだということでした。アメリカでは、争いが発生した際の訴訟費は莫大なものだそうです。ある公認会計事務所が訴訟沙汰になり、最終的に倒産しましたが、倒産の理由は、賠償金を払ったからではなく、弁護士に払った弁護士費用が高すぎたからだという笑うに笑えない話が残っています。このように、アメリカの社会においては訴訟を抜きにして語れないほど訴訟が蔓延しているようです。

 今度、TPPに日本が参加することによって、さらにアメリカの弁護士が自由に日本に入り込んでくることになるでしょう。場合によれば、大分県内にもアメリカの弁護士が入ってくるかもわかりません。恥ずかしい話ですが、大分県内の弁護士で英語に堪能な弁護士は1、2名しかいないというのが実情です。このようなところにアメリカの弁護士が入ってくる可能性があります。そうした場合に、日本もアメリカ的に訴訟社会にどんどんなっていくのではないでしょうか。

 私が、今、行っている裁判の中には、ある農事組合法人が失業中の人間を雇って稲刈りをさせていたところ、その者が間違ってカマで自分の指を切ったので、雇い主である農事組合法人に対して安全配慮義務違反ということで損害賠償請求をしてきたケースがあります。一昔前なら、自分がミスして皆に迷惑を掛けたので申し訳ない、というところ、逆に雇い主に対して損害賠償を請求してきたのです。請求者には、当然、弁護士がついています。徐々に、このような訴訟社会になっていくのではないかということを危惧しています。

 ところで、日本の企業で、予算として訴訟費を計上している企業がどれだけあるでしょうか。「裁判沙汰などというものは自分の会社には関係ない。」と考えている企業が大半だろうと思います。しかしながら、一旦訴訟になった場合、それに費やされる労力はかなりのものですし、万が一、敗訴した場合に払う賠償金も相当なものになる可能性があります。いわゆる、「転ばぬ先の杖」という考え方で、一定の訴訟費用を計上し、常日頃から弁護士と密に連絡を取り合っていくという体制を取ることもこれから必要となるでしょう。TPPに日本も参加するようになり、ますます訴訟社会化が進む以上、考えておかなければならないところではないでしょうか。





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