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第46回  反対尋問

                                                         - 2012年5月4日

反対尋問

 弁護士の訴訟活動の通常の流れは依頼者から相談を聞き、法律的な見解にもとづいた書面を作成し、証拠を収集し、法廷で証人を尋問し、裁判所の判決を求めるというものです。この一連の流れの中で、一番ダイナミックで力量が問われるのが、法廷における尋問技術です。
 法廷においては、自分の依頼した弁護士と相手方の弁護士が対立する関係になり、双方の弁護士が一人の証人に対して尋問をしますから、法廷で傍聴している人から見れば、双方の弁護士の力量の差は一目瞭然となります。自分の顧問先の事件で、いざ法廷に立った時に、顧問弁護士の訴訟の能力が低かったということがばれてしまい、顧問弁護士を解消されるということもままあります(したがって、法廷に立ちたがらない弁護士は要注意です)。
 中でも、特に、ダイナミックで面白いのが、反対尋問です。その証人を申請した側からの尋問を主尋問、これに対し、相手方の弁護士からの尋問を反対尋問と言います。主尋問は、当然、事前に綿密な打合せがされるため、ほとんど問題はありません。問題は反対尋問です。反対尋問は敵性証人に対する尋問であるため、証人が尋問者に都合の良い回答をしてくれるはずがありません。したがって、いかにして証人の嘘を暴くかということが反対尋問の主たる目的です。反対尋問では、証人の証言の信用力を弱めることしかできず、その証人の嘘を暴くなどということはほとんどできないのが現実です。
 しかし、「反対尋問の技術」などの本にアメリカのリンカーンが弁護士をやっていた時の話がよく出てきます。すなわち、目撃者が証人として出てきて、被告人が、夜、間違いなくその犯行を行った場面を見たという証言をしたのに対し、リンカーンがその証人に対して、「夜なのに、どうして犯人の顔が見えたのか。」と尋問したところ、証人は「その夜は、お月様が出ていたのでよく見えた。」という答えをしたとします。その時、リンカーンは、事件当日の夜の天気予報を調べており、当日は曇っていてお月様が出ていなかったということを法廷で証拠に出し、証人の嘘を暴いたとのことです。
 実は、これに似た例は、私も何年も前に経験したことがあります。ある労働争議の裁判でした。証人は労働組合の実質的なリーダーでしたが、その労働組合の幹部たちは、勤務時間中に抜け出してゴルフに行っていました。もちろんタイムカードだけは押して職場を離脱するわけです。
 その証人が証言に立った時に、私、「あなた方は、まさかタイムカードだけを押して、職場離脱してゴルフ場に行ったりはしていないでしょうね。」。証人、「はい。」。私、「平成○○年○月○日も、当然タイムカードを押しているということは、職場離脱をしておらず、職務に専念していたということですか。」。証人、「はい。」。
ところで、尋問の前に、私は当該ゴルフ場から、その問題となった日に、その証人及び組合の幹部たちがゴルフに来ていたという裏付けの証拠を取っていたため、それを法廷で証人に証拠として突きつけました。もちろん、証人が沈黙して答えられなかったことは言うまでもありません。
 このように、証人の嘘を暴くのが反対尋問であり、これが成功した時はかなりのストレス発散になります。
しかし、深追いをし過ぎると、ろくなことにならないのも反対尋問です。藪をつついて蛇を出すこともあります。教科書に次のような例があります。
 被告人が被害者の耳を食いちぎったかどうかというのが争われた事件で、目撃証人が出てきました。
弁護人、「あなたは、被告人が被害者の耳を食いちぎる(・・・・・)瞬間は見たのですか。」。証人、「見ていません。」。
 ここで尋問を止めれば、証人の証言の証明力は弱まったはずなのが、弁護人が深追いしすぎて、さらに次のような質問をしてしまいました。
 弁護人、「それではあなたは何を見たのですか。」。証人、「血まみれの耳を吐き出すところを見たのです。」。
これによって、被告人が被害者の耳を食いちぎったということが決定的になってしまったというもので、深追いしすぎると、ろくなことにはならないという典型例です。
 この頃、法廷に立たないことを自慢している弁護士がいるみたいですが、法廷に立たなくて何のための弁護士でしょうか。



玄さんのミニ六法
 私は家の改築費用に当てようと、所有土地の一部を処分すべく、ある人とその土地の売買契約を結びましたが、約束の日が来ても、「もう少し待ってくれ。」と言って代金を支払いません。他に有利な買い手も現れましたし、いっそこの契約をやめてしまいたいのですが、解除できるでしょうか。
また、解除するための方法も教えて下さい。
1 債務不履行に対する措置
契約に定めた代金を支払期日に支払わないことは、履行遅滞という債務不履行の一場合に当たります(民法四一二条)。
相手方が履行遅滞をしたときは、あくまで契約通りのことを実現させる方法と、解除、つまりはじめから契約をしなかったことにする方法、のいずれかをとることができます。
あくまで契約通りのことを実現させたい場合には、終局的には代金額に遅延利息を付加して支払え、との訴訟をおこし、判決を得て相手の財産に対して強制執行するのです(同法四一四条)が、本件の場合、契約をやめてしまいたい、とのことですから法律で認める一方的解除のことを説明しましょう。

2 法定解除に必要な手続
履行遅滞を理由に契約を解除するには、まず相当期間を定めて約定代金の支払を催告し、その期間内に支払わないときの通告−意思表示−をする、というのが順序です(同法五四一条)。
もっとも、あらかじめ催告する手続は、当事者が特約によって省略することもできます。また催告する方法としても「条件付契約解除の意思表示」といって、一つの通告の中で相当期間内に代金を支払うこと、もし期限までに支払わないときは契約を解除することもできます。この通告は形式が決められているわけではなく、口頭でもいいのですが、重要な事項ですから書面、しかも内容証明郵便のように後日証拠の残る方法をとるべきでしょう。
解除するに際し、催告の中で決める「相当期間」がどの位かは、それぞれの契約内容や支払うべき金額などにより判断すべきですが、従来の判例などから見ると大体一週間位の余裕をおけばよいと思います。なお、不動産売買契約では、手付金、場合により代金の一部を中間金として支払い、残金は物件の引渡し及び移転登記と引きかえに支払う、と定めることが多いようですが、これは売主、買主に同時履行の義務を定めたことになるので、売主としては催告の中で期限までに物件の引渡し及び移転登記ができることを明示しなければなりません(同法五三三条)。
さらに、登記手続を要する売買契約では、履行の場所を所轄登記所とか、特定の司法書士事務所と決めることもありますが、特にそう明記していなくともその期限に買主が登記所に代金を持参することに備え、売主も登記義務履行のため登記所に行かなければなりません。



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