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第28回 法曹の質

                                                        - 2010年11月5日

法曹の質
 法曹(弁護士・裁判官・検察官)の質とは一体何なのでしょうか。単に法律知識に長けているだけではなく、具体的な紛争を適切に解決する処理能力あるいは相手方や依頼者を説得する能力などが必要です。画一的にどの能力が必要だと断定することはできません。しかし、基本的な法律的な素養があることは大前提です。司法試験合格者が20年前の5倍に増やされ、現在年間2500人の司法試験合格者が大量に排出されています。かねてから法曹としての質が低下してきているのではないかとの懸念が各方面から提起されていましたが、今度、新しく受けた民事事件で、法曹の質の低下をまざまざと目の当たりにすることがありました。

 民事事件では、訴える人を原告、訴えられる人を被告と呼びます。原告は被告に対し何らかの請求をする権利があるので、その権利を実現してもらうために裁判所に訴えを起こすわけです。したがって、訴えを求める請求の骨子は、あくまでも「被告は、原告に対し、○○をせよ」という内容になります。
 ところが、先日お目にかかった訴状(まず原告が最初に訴えをするために提出する書類のこと)に、「被告は○○(原告以外の第三者の名前)に対し、○○せよ。」という内容の訴えが記載されていたのです。分かり易く言えば、Aから100万円を借りていたBがそれを返さないので、CがBに対し、「BはAに対し、100万円を返せ」と訴えるようなものです。あくまでも裁判を訴えることのできる人は、自分がその裁判を受けることによって法律上の利益を受ける人でなければなりません。先程のような例がまかり通れば、お節介な人が何百件も裁判を訴えることができるようになるでしょう。しかし、そのような、他人のために裁判を起こすということは日本の法制度の中では認められていないのです。これは、「訴えの利益」という、民事訴訟法のごく基本的な概念を理解しているかどうかに関わります。
 私が現実に目にした訴状は、まさにこの民事訴訟の基本中の基本すら理解していないものでした。これを弁護士名で裁判所に提出しているのですから、まさに驚きとしか言いようがありません(さすがに、裁判所の受付から重大な誤りを指摘され、後に訂正はしてきましたが・・・)。

 司法試験合格者が大量に増員され、また、司法修習生の給与も給付制から貸与制に切り替えられ、金持ちの子弟しか弁護士・裁判官・検察官になれなくなり、質の低下が懸念されていましたが、まさか、ここまで質の低下した弁護士が粗製濫造されているとは思いもよりませんでした。10年前であれば、およそ司法試験に合格しなかったであろう人間が大量に司法試験に合格し、弁護士バッジをつけ、あるいは裁判官として法廷に座り、あるいは検事として犯罪者と対峙するのは、想像しただけで恐ろしいものがあります。就職もできず、食えない弁護士も増えています。これから先、金をかけて法科大学院に行き、国からお金を借りて司法修習生になったけれど就職できず、借金だけ数百万円抱えているという「名ばかり弁護士」が大量に増加される時代になっていくのでしょうか。


 ≪第27回 検察は死んだ 第29回 国家の矜持≫ 


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