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第23回 反日

                                                         - 2010年6月4日

反日
 4月、事務所旅行で中国の威海(ウエハイ)市に行ってきました。山東半島の東に位置する風光明媚な港湾都市です。
 1894年の日清戦争(中国では、これを「甲午戦争」という)の舞台になった都市で、清の海軍基地があったところです。当時、清の海軍(北洋艦隊)はアジア随一であり、ようやく近代的な海軍を持ち始めた日本とは比較にならないほどの軍備力でした。
 しかし、清の海軍は、編成・装備・訓練が統一されておらず、動員・兵站・指揮のシステムが近代軍としての体をなしていなかったと言われています。そのため、これらにまさった日本海軍が勝利を収めたことは歴史的事実です。
 日清戦争が起きたのは、朝鮮半島をめぐる日本と清の覇権争いであると一般的に言われていますが、少なくとも日本に清を侵略する意図がなかったことは明らかです。

 ところで、事務所旅行のとき観光で行った劉公島に「甲午戦争記念館」というものがあり、日清戦争のときのパネルや軍艦の模型などを展示しております。江沢民が中国に多数作ったいわゆる反日(抗日)記念館のひとつです。中国語で解説されており、それを中国人のガイドが通訳してくれましたが、日本人に聞かせたくない解説は、ほとんど飛ばしていました。私が中国人のガイドに、「何と書いているのか、ちゃんと教えろ。」と言ったところ、「いや、これをそのまま通訳すると日本の方々かなり立腹されるので飛ばしました。」とのこと。ただ、漢字なので何となく分かるのですが、「鬼」という表現がたくさん出てきますし、また「侵略」という言葉もたくさん出てきます。
 要するに、日清戦争も「鬼」のような日本人が中国を「侵略」するための戦争であるということをさかんに言っているのでしょう。甲午記念館の客のうち、日本人は我々だけで、他は全員が中国人(たぶん)だと思います。

 このように、中国は、中国の至るところで反日記念館(特に南京の記念館が有名ですが)を作っているのみならず、学校教育でも、「日本が中国を侵略した悪い民族である」ということを連綿と教え込んでいます。中国人の若い世代が極めて強い反日感情を持っているのは、このような反日教育のせいだと思います。中国のように十数億と言われる巨大な人口を抱え、50以上の他民族からなる複雑な国家を支配するには共産党独裁体制が必要なのかも分かりませんが、それだけではやはりダメでスケープゴート的な存在を作出する必要があるのでしょう。それがまさに、日本になっていると思うのです。日本対中国のサッカーなどで中国が異様に興奮し、反日感情をもろに表すのは、このような反日教育の賜物でしょう。
 以前、中国の留学生と話す機会があり、「正直なところ、君たちは日本人をどう思っているのか。」と聞いたところ、「若い世代はほとんど日本人が大嫌いです。」と言っていたのが、今でも強く記憶に残っております。このように反日教育で染め上げられた若い中国人たちが、今後、中国を指導していく立場になったとき、どのような事態になるか想像するだけで恐ろしいものがあります。中国のミサイルは台湾と日本と向けて設置されているとのことですから、現在の中国の軍事力を考えたときに日本が中国の属国とされる可能性は皆無とは言えないと思います。

 帰りの空港でパスポートを点検していた若い中国人の警察官が異様な眼光で私をにらみつけていたのが、とても気になりました。



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