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第118回   死刑執行

                                                       - 2018年7月27日
死刑執行
 坂本弁護士一家殺人事件、地下鉄サリン事件などの一連の凶悪事件で29名の命を奪い、6500名以上を負傷させたオウム真理教の教祖麻原彰晃こと松本智津夫ら教団幹部7名が、去る7月6日、東京、大阪など4カ所の拘置所で死刑執行されました。事件から20年以上経ってからの死刑執行です。
 死刑執行については、賛成・反対両論がさまざまな角度から出されていますが、世界的には死刑廃止が潮流のようです。
 死刑賛成論の根拠としては、①「目には目、歯には歯」の応報主義、②被害者の処罰感情を尊重、③犯罪の抑止効果を期待、④再犯防止、⑤国家予算の無駄遣いの防止、などが言われています。死刑反対論の根拠としては、①「生命は絶対である。」との宗教的理由、②死刑制度には犯罪防止効果がない、③国家による殺人行為の禁止、④冤罪の場合、取り返しがつかない、⑤「残虐な刑罰」は許されない(日本国憲法36条参照)、などが言われています。
 その中で、今回の麻原の死刑執行に関し、「どうして、このような犯行に走ったのか、麻原自身の口からまだ説明を受けていない。だから、死刑執行には反対である。」との論評をよく聞きます。しかし、この論評には与し得ません。麻原の犯行の動機・原因は明らかです。
「恨」です。
 自分が、そして、オウム真理教が受け入れられなかったことによる、日本に対する「恨み」が一連のテロの動機・原因です。これは、麻原以外の被告人らの供述内容からも明らかですし、オウム真理教が国政選挙で落選した直後からテロへと舵を切り始めた点からも明らかです。
 思うに、財産犯は別にして、殺人や傷害など故意による重罪の動機のほとんどが、「恨(うら)み(≒憎(にく)しみ)」か「嫉妬(しっと)(≒妬(ねた)み)」です。普通の人は選挙に落とされたからといって、地下鉄で猛毒サリンを撒こうとは考えません(・・・と思います)。しかし、麻原は、それまでの生まれ、育ち、思想等々が影響し、サリンによって引き起こされる事象(即ち、多数の無辜(むこ)の市民を死傷させること)に対する虞れよりも、自分を排除した日本に対する「恨み」の感情の方が上回っていたのでしょう。このような人間が、純粋な人々を洗脳してしまい、凶悪な犯行に至らせることがあることを我々に教訓として教えてくれた事件でもありました。
 また、オウム事件は、我々司法関係者にもいくつかのエピソードを残しました。
 1つは、「判決の不均衡」です。医者で、地下鉄サリン事件の実行犯の林郁夫が死刑ではなく無期懲役というのは、他の死刑宣告の被告人たちと明らかに均衡を失しています。林被告人が罪を悔いているということが減刑の理由のようですが、死刑と無期懲役との間には天と地のような差があるので、果たして改悛の情だけで説明がつくのかどうか・・・。
 2つ目は、麻原の弁護人が、1審判決に対して控訴申立はしたものの、期限までに「控訴趣意書を提出しなかった」ために控訴が棄却されてしまったことです。弁護人らにもそれなりの言い分はあるようですが、いかなる理由があれ、受任した以上は法律の規定に従って処理しなければなりません。控訴趣意書を期限までに提出しないとは言語道断です。弁護士としては懲戒ものですし、麻原の高裁での「裁判を受ける権利」を奪ったと評価してもいいでしょう。麻原がこの弁護人らに対して損害賠償請求をしたかどうかは知りませんが、請求されれば当然なにがしかの賠償は認められているはずです。
 いろいろありました(横山昭二弁護士というオモシロイおじいさんも登場したりして)が、平成の大事件が死刑執行とともに忘却の彼方へと去り、そして、平成の時代もいよいよ幕を閉じようとしています。






 ≪第117回 6.12米朝首脳会談 第119回 容疑者逃亡≫ 


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