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Q&A
賃貸借契約(立退料)について

質問 


私は、雑居ビルの一部を賃借して店舗を経営している自営業者なのですが、ビルの所有者から、ビルの建て替えを実施するので近いうちに物件を明け渡して欲しい旨の催促を受けています。契約書を見ると、確かに、6ヶ月前までに通知をすれば賃貸借契約を解除できるとか、その際には立退料は発生しないなどと書かれてはいるのですが・・・。申し出に従って出て行かなければならないのか、立退料などはどうなるのか、教えて下さい。




回答


借地や借家の賃貸借契約は、所有者や賃貸人が自由に解約できるものではありません。 
家賃の滞納による債務不履行でもない限り、賃貸借契約を終了させるには、原則として「正当の事由」(旧借家法第1条の2、借地借家法28条等参照)が必要になります。

この「正当の事由」の有無を判断するに当たっては、@賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情A賃貸借関係に関するこれまでの経緯や経過B当該物件の利用状況や現況など、当該賃貸借関係を取り巻く様々な事情や要素が考慮されることになります。

@は、貸主側と借主側のどちらの方が、当該物件を使用する必要性に迫られているのか等が比較されます。あなたが、長年の間、その店舗で地域に密着して商売を続けており、他に移転先や代替店舗を探すことも難しいような場合は、正当事由が認められにくいでしょう。Aでは、契約更新の状況や、賃料、保証金、権利金などの事情が考慮され、何度も契約の更新が行われているような場合は、やはり正当事由の有無に影響することがあります。Bについては、建物の現在の利用状況や構造、老朽化の程度などが考慮されることになります。防災構造上も問題がある老朽化した建物で即時に建て替えをしなければ人命にかかわる危険性があるような事情でもあれば、正当事由が肯定され得ます。

これら@〜Bに加えて、C「財産上の給付をする申し出」も正当事由の判断要素として考慮されます。いわゆる、「立退料」です。立退料は、あくまでも@〜Bを補う補完的な考慮要素で、立退料を支払えば当然に正当事由が認められるとか、反対に立退料を支払わなければ絶対に更新拒絶が認められないというものではありません。なお、契約書に立退料は発生しない旨の記載があっても、そのように賃借人に一方的に不利益な内容の条項については、その効力が否定されます。

立退料の算定に当たっては、移転費用、仲介料、引越費用などの他、内装補償費用や営業補償費用、借家権価格費用など様々な補償項目が考慮されます。計算に当たっては、店舗の規模や営業状況、立地条件など個別の事案ごとに当然に事情が異なりますので、相当な立退料額がよく分からないような場合には、経営店舗の状況が分かる詳しい資料等を揃えて、専門家に相談してみるのも良いでしょう。





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